恋する5秒前~無愛想なキミと~


「環、具合はどう?」


「香奈、来てくれたんだ。まだ熱があるから帰るね」


「うん、分かった。環の顔、ずいぶん赤いもんね」


香奈はそう言いながら私の額に手を当てた。


「環のおでこ、かなり熱いね」


「でしょ?これから教室へカバンを取りに行こうと思ってるんだけど」


香奈に言うと


「ダメよ、環。熱が高いんだから寝てなくちゃ!カバンは私が持ってくるから、ちょっと待ってて!」


「はい」


あ~あ、怒られちゃったよ。


香奈は私に言うとサッと保健室を出ていき、私のカバンを持って戻ってきてくれた。


「はい、カバン。一応教科書とノートを全部入れてきたけど?」


「ありがとう、香奈」


「どういたしまして。じゃあ、私はこれで、教室へ戻るから、またね、環」


「ありがとう、香奈。またね」


香奈が保健室を出ていくと、養護の先生が


「水野さん、お家の方が迎えに来たわよ」


「はい」


「すみません、娘がお世話になっております。環、大丈夫?」


養護の先生に挨拶をして保健室の中へ入ってきたのは、お母さんだった。