「うなされてたけど、大丈夫かよ?」
「うなされてたって、私が?」
「あぁ、俺が教室へ入ってきたとき、お前が苦しそうにしてたからさ……声を掛けたんだよ」
「そ、そうなんだ。びっくりしたでしょ?ごめんね」
桜井君に謝りながら椅子から立ち上がろうとしたけれど……。
どうしたんだろ?視界がグルグル回っているみたいで、目が回る。
桜井君は何も感じないのかな?
私の体、一体どうなっちゃってるの?
段々と意識がもうろうとしてきて
「あれっ?私、どうなっ……」
「おいっ、水野っ!」
桜井君の声が遠くから聞こえてきて……そこから先の記憶はなくなっていたんだ。
……ん。あれ、ここは?
気がつくと目に入ってきたのは真っ白な天井。
「具合はどう?」
カーテン越しに聞こえてきたのは保健室の養護の先生の声。
「あの、私。どうして、ここに?」
朝、教室にいて桜井君と会ったことまでは覚えていたんだけどな。

