「ただいまぁ」
リビングの中へ入ると何やら不穏な空気が流れていた。
「おかえり、姉ちゃん」
翔が私に気づいてソファから立ち上がる。
「はい、私からのお土産。未来のお土産もあるよ」
未来の様子を見ると、ソファの前に置かれたテーブルに顔を伏せていた。
「未来、どうしたの?」
傍らにいる里美ちゃんはため息をつくと口を開いた。
「どうしたもこうしたもないわよ。この子ったら朝からずっと機嫌が悪くてねぇ。もう、うんざりよ」
里美ちゃん、相当疲れてるんだなぁ。
ひと目見て分かるもの。
「原因はなんなの?」
「それは未来に聞いてよ」
里美ちゃんはお風呂の支度をしてくると言ってリビングから出て行ってしまった。
「姉ちゃん、俺の分のお土産は?」
翔は自分宛のお土産を渡してくれるのを心待ちにしていたみたい。
「あ、そっか、ごめん。翔のお土産はこれねっ!」
渡したのはガラスの中にイルカや魚達が泳いでいるペーパーウェイト。
男の子用のお土産は少なくて、迷った挙げ句に選んだのがこれ。
「わぁ、これなんだ?でも、すげぇキレイだなぁ」
灯りの下にペーパーウェイトをかざしてキラキラ光る様子を眺めている翔。
「ごめんね、女の子の物が多くて翔が欲しそうな物がなかったんだ。それで、これにしたんだけど」
言い訳をすると……。

