「ごめんね、私びっくりして……つい、ほんと……ごめんなさいっ」
瀬戸君、いきなり突き飛ばされたから、びっくりしてるだろうな。
普通なら受け入れるのだろうけど、私にはそれが出来なかった。
だって、まだ瀬戸君と付き合いだしてから1ヶ月も経っていないし、デートをするのも今日が初めてだったから。
まだ、心の準備ができていないんだ。
薄暗くて瀬戸君の表情は分からない。
何度も謝る私に
「俺の方こそ、ごめん。一緒にデートしてくれただけでも嬉しかったのに、水野さんの気持ちも考えずに、それ以上望むなんてまだ早すぎるよな。悪いのは俺の方だから、ごめんな」
「う、うん」
瀬戸君は静かに言いながら足元に落とした紙袋を拾うと渡してくれた。
「俺、帰るから。じゃあな、水野さん」
「またね」
瀬戸君はそう言うと暗闇の中へと消えて行った。
私は玄関の中へ入ると、ドアに体を預けて深くため息をついた。
今日は色んなことが起こりすぎて頭の中がグチャグチャだよ。
今度瀬戸君と会うのはいつになるんだろう?
もし、会ったら今まで通りに話せるかなぁ。
不安ばかりが募る。でも、自分で選んだことだから受け入れるしかないんだ。

