恋する5秒前~無愛想なキミと~


それから間もなくして、桜井君とその彼女はお店を出て行ったんだ。


仲むつまじく歩く姿。


笑顔で桜井君に話しかける彼女。


どこから見ても幸せそうなカップルにしか見えなかった。


そんな二人を見たからか、私が食べたオムライスの味はやけにしょっぱくて、胸がズキンと痛んだ。


心は全然落ち着かなくて、家に帰ってからも桜井君たちの姿が目に焼きついて離れなかった。


翌朝。


窓を開けると青空がまぶしく感じるほど、天気が良かった。


昨夜、あまり眠れなかった私はちょっと寝不足気味。


いつもより早起きをして学校へ行く準備をしていると


「ねぇ、環。夜中にうなされていたけど悪い夢でも見たの?」


「私、そんなにうなされてたの?」


「そうよぉ、私、心配になって環の部屋に入ったんだから」


里美ちゃんが未来に洋服を着せながら私に話した。


「そっか、そんなにうなされてたんだ」


どんな夢を見てたのか思い出せないけど、、今日だけは桜井君と顔を会わせたくないなぁ。


でも……。


「それじゃ、里美ちゃん。行ってきます!」


「行ってらっしゃい、環。車に気をつけてね」


里美ちゃん達に挨拶をすると玄関を飛び出した。