四霊は麒麟、鳳凰、霊亀、竜を、四神は東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武を指す。

共に四凶を上回る、大陸最高峰の神々だ。

そんな神々に師事していたとは…。

余程の資質がない限り、彼らに教えを乞う事などないだろう。

「全く…神様相手にも横柄な態度なんだから…見ててこっちが冷や冷やしたわよ」

臥龍の妻にして龍鷺郎達の母親、鴉丸 亜鳥が言う。

だがその甲斐あって、臥龍が更なる強さを得たのも事実。

「更なる強さだと?調子に乗るな人外風情が」

窮奇が地面を踏み締める。

「どんなに修練を積もうが、決して辿り着けぬ領域がある。それが我ら神の…」

神速の動きで攪乱しようとして。

「!?」

それよりも速く、臥龍が窮奇の足を摑んだ。

…臥龍は薄く笑う。

「はて、おかしいの…辿り着けぬ筈だが?」

彼はその足を摑んだまま、まるで小枝でも振り回すように窮奇を片手で投げ、地面に叩き付ける!