「へー、そうなんだ」

花龍が弁当を口にしながら言う。

昼休み。

今日もシオン一味が顔を突き合わせて食事している。

「2年生は修学旅行なんだね」

「うん、中国いって、万里の長城見たりするんだって」

真太郎の隣、定位置をキープしながら、紫陽花が答える。

といっても、シオン一味に高等部2年はいない。

今年は修学旅行は無関係だ。

「中国といえば…龍鷺郎の御父上と亜鳥殿は、確かアジア周辺を漫遊中じゃったな」

「豪遊中とも言うがな」

紗雪の問いかけに、龍鷺郎が答える。

「あの放蕩親父、いつまでほっつき歩くつもりなんだかな…うんざりだぜ」