天神学園の問題児再来

ここまで切り刻まれたヴラドを、いまだ嘗て見た事があっただろうか。

血塗れになり、再び吸血鬼の急所である心臓を貫かれ、ヨロヨロと後退するヴラド。

「とった…」

手応えを感じ、川蝉の柄を握り締める真太郎。

その目の前で。

「!?」

ヴラドが黒い霧となり、四散した。

それが霧ではなく、蝙蝠の群れだと知ったのは。

「何を呆けている?夕城」

ヴラドに背後を取られてからだった。

「幻術に見惚れたか?」

幻術?

真太郎の身が凍る。

面妖な。

いつからだ?

常磐哀歌の時か?

追走の鶯の時か?

もっと前からか?

もしかしたらここに至るまでの試合全てが、幻術の中の出来事か?