天神学園の問題児再来

歓声が上がる中、ようやく呼吸を整えて。

「…忘れる所だったぜ」

龍鷺郎は出血にフラフラしながら、思い出す。

禿鷲は、果たして本当に黒爪の傀儡となっていたのか。

奴ほどの強者が、本当に黒爪の従僕となっていたのか。

あの狡猾で凶悪な戦術は、確かに黒爪のものに似てはいるが…。

「おい禿鷲、立てるか」

龍鷺郎は振り向くが。

「!」

いなかった。

試合後の朦朧とした意識と、観客の歓声に気を取られていた隙に、ダウンしていた筈の禿鷲は姿を消していた。