そんな黙認してきた者達が、一堂に会する1回戦第2試合。

件の臥龍の息子達…鴉丸 龍鷺郎と鴉丸 禿鷲は対峙する。

客席には佐倉の者達や防人の他、わざわざ鴉丸の城からやって来た龍鷺郎の弟の斑鳩、夕城の刀鍛冶である龍之介とその妻めのう、娘のさくらの姿もある。

臥龍の血筋同士が戦う。

長い天神の歴史の中で、こんな事態はいまだ嘗てなかった。

この場にいる中で、一体何人がそれを認識しているだろうか。

これは非常事態なのだ。

そんな異質な空気を肌で感じつつ。

「それでは第2試合…」

鬼龍は手を掲げた。

「はじめアルッ!」