「何れは…何じゃ?」

舞台反対側の袖から、女子生徒が出てきた。

普段とは違う、背中の大きく開いたドレスを身に付け、長いスカートを翻す紗雪。

『彼女は天神王国と同盟を結ぶ隣国の姫、紗雪。勝気だが美しく、根は心優しい紗雪は天神王国でも評判が高く、多くの者に慕われていた』

「て、天使様…それは誉め過ぎじゃ…」

ナレーションに頬を染める紗雪。

気を取り直して。

「シオンよ、何れは…?妾は言いかけたその言葉の先を聞きたい」

「紗雪姫、そ、それは…」

照れ臭そうな、うろたえるような演技を見せるシオン。