「紫陽花、大概にしろ。リプニー教諭が可哀相だろう」

真太郎が鞘に納めたままの狂奏丸で、紫陽花の頭をコツンとやる。

「ごめぇん」

ペロッと舌を出す紫陽花。

橘リゾートで夏休みを過ごした面々は、2学期初日も元気に全員登校だ。

そして。

「今日から新しい仲間が加わります、転校生の鴉丸 龍鷺郎君」

リプニーの紹介で、シオンと花龍のクラスに龍鷺郎が入ってきた。

ちょっと強面な感じの龍鷺郎に、おっかなびっくりのクラスメイト達だが。

「あー、大丈夫大丈夫」

「龍鷺郎、気はいい人だから」

シオンと花龍がフォローを入れる。

「…うんざりだぜ」

学帽を深く被り、龍鷺郎は溜息をついた。