天神学園の問題児再来

ゆっくりと、抱き締めていた体を放す。

紫陽花は、泣き止んでいた。

「何の事はない。帰りが少々遅くなるだけだ。1人ならば怖かろうが、俺がついていてやる。どうという事はないだろう」

「…うん」

はにかみながら、俯く紫陽花。

雨に濡れても、しっとりとした美しさを損なう事のない、梅雨の花。

その可憐さは、太陽の降り注ぐ真夏にあっても、些かも衰えない。

「しばらくすれば迎えも来よう。その間に、そうだな…」

どうすれば時間を潰せるか。

そう考える真太郎に。