朝食までの時間を使って、シオンはリプニーの打ち込み稽古の相手をする。

携行砲の弾切れを想定しての、敵との距離を置いて再装填するまでの接近戦の稽古。

或いは、敢えてこちらから接近戦を挑みつつ、零距離からの射撃を敢行するまでの稽古。

リプニーはその方法を知らなかっただけだ。

教えれば教えるだけ、要領よくその手段を身に付けていく。

ミルトゥワでマリオンも言っていたが、リプニーはなかなか筋がいいようだ。

お互いの額に汗が浮かぶ頃。

「兄上ー、リプニー先生ー!」

シャンリーがヴィラの方から声をかけてきた。

「朝ご飯の準備できたよー!」

「おー!今行くー!」

片手を軽く上げ、シオンとリプニーはヴィラへと戻った。