闇の力による補助、ランスロットの攻撃力増大。

確かに強化には繋がる。

だが、決め手にはなり得ない。

龍馬や真太郎ならば、力押しで何とか押し切れるだろう。

ヴラドや龍鷺郎には、通用しないかもしれない。

花龍は同じ精霊使いでもある、対処できるだろう。

ランスロットへの直接精霊憑依。

いいアイデアだと思ったのだが、決定打にするには火力が足りないといった所か。

「困った」

桟橋に座り、胡坐をかくシオンの背中に。

「あのぉ…」

声をかけたのは、胸に携行砲を抱くリプニーだった。

「おはようございます…あの…今朝も稽古に付き合ってほしいんですが…お邪魔ですか?」

「いや、いいよ」

立ち上がって笑顔を見せるシオン。

こちらの世界にいる間は、シオンはリプニーの師匠の役割も果たす。

「じゃあ今日も打ち込み稽古しようか、リプニー先生」