龍馬達が見えなくなるほど歩いた後。

「……」

額に浮かべた汗を拭い、真太郎は苦しげに立ち止まった。

胸を押さえる。

何という剛撃。

これが蜻蛉の構えか…。

内臓に達するかと思うほどの一撃だった。

柾一刀流を習得し始めて日の浅い半人前の一撃とは思えん。

もう半人前などと呼べなくなってしまった。

それに…。

龍馬の折れた陸奥守。

あれは真太郎の斬岩の効果だけではない。

蜻蛉の構えの威力も利用したカウンター、そして龍馬自身が今日までに修行によって陸奥守を酷使し続けていた結果。

陸奥守そのものが、最早寿命を迎えていたのだ。

決して真太郎の剣腕が、龍馬を大きく上回っていた訳ではない。