「ヴ、ヴラド先生…」

力無くヴラドを見上げる花龍。

「つまらない顔をしているな、早川。どうした」

ヴラドは薄く笑む。

「俺が人殺しと今更知って、嫌悪を抱いたか?」

「っっっっっ!」

見透かすのが得意なのは、吸血鬼共通のようだ。

「ど、どうしてそれを…」

「千里眼に地獄耳、異能の力など掃いて捨てるほど持っている。俺は吸血鬼だからな」

そんな花龍との会話もそこそこに。

「おっと、そこまでだ」

ヴラドはマンイーターとソウルイーターを抜き、近付こうとする黒爪に向けた。

「誰の花嫁をたぶらかそうとしていたんだ?言ってみろ、三下」