そんな彼女と黒爪の間に割って入るように。

「ぬっ!」

無数の蝙蝠の群れが飛来した。

何千、何万という黒い影。

彼らは統制された軍隊のように、花龍を遮り、黒爪を覆い、鋭い爪と牙で攻め立てる。

「小賢しい!」

蟷螂手で蝙蝠達を引き千切り、斬り散らし、追い払おうとする黒爪。

しかし的の小ささも災いし、効果的な攻撃を仕掛ける事叶わず。

蝙蝠達は黒爪の歩みを止める事に成功すると、一旦距離をとって水上ヴィラの屋根の上に密集し。

「尻尾を巻いて逃げた負け犬が」

人の形を成した。

「こんな所で何をしている?」

武闘派教師陣の1人、ヴラド・ツェペリの姿に。