今日も真太郎が登校する。

腰にはいつものように狂奏丸と川蝉。

彼が歩く度に、鍔鳴りの音がする。

重苦しささえ感じさせていたそれは、ここ最近、少し涼しげに聞こえる。

「……」

天神学生寮を出て、ふと空を見上げる。

梅雨が明けたのか、数日間、快晴が続いている。

相変わらず貧乏な天神学園、教室にエアコンはおろか扇風機も存在しない。

今日も暑い1日になりそうだ。

そう考えると、ウンザリしたように溜息を吐いた。