「ぐ…ぐふ…」

如何に銀製ではないとはいえ、大口径の…しかもヴラドの魔力を込められた弾丸を連続で浴びせられては堪らない。

「た…丹下の血の匂いのする吸血鬼…だと…?」

同じ吸血鬼が敵に回るとなると厄介だ。

相変わらずの引き際の良さで、その場を離脱する黒爪。

それを見送りながら。

「…やはり丹下の血の匂いがするか」

ヴラドは自分のインバネスコートの袖口を嗅いだ。