そんな彼に。

「おはようございます、ヴラド先生」

「ば、馬鹿花龍、危ないから声掛けるな!」

おっかなびっくりな声が聞こえる。

振り向くと、花龍とシオンが立っていた。

「今朝もいい天気ですね」

おっとりした口調で告げる花龍。

「そ、そんなのヴラド先生が思う訳ないだろ!この人吸血鬼なんだから!」

最早勇者の天敵に近い魔王クラスの吸血鬼。

シオンが苦手がるのも無理からぬ話。

しかし。

「……ああ」

抑揚なく。

ヴラドは受け答えした。

「いい朝だな、早川」