「父ちゃん、遊びに来たよぉ、にゃはっ」
橘 龍乃が、父・龍太郎の所に顔を出す。
龍太郎の隣には、仲睦まじく並ぶ夕城 翡翠の墓。
…よくこんな一等地を、丹下家の墓に譲ってくれたものだと、龍乃は今も思う。
夕城家の厚意に感謝すると共に、龍太郎も『戦友』翡翠の隣にいられる事を喜んでいるだろう。
老衰で、眠るように逝った龍太郎。
2人の墓の間には、将棋盤が置いてある。
あちらでも、難しい顔をして将棋を指しているだろうか。
きっと癇癪を起こして、将棋盤を引っ繰り返しているだろうが。
「ほら2人とも、じいちゃんに挨拶だよ」
龍乃は、足元にしがみ付く2人の幼子に言って聞かせた。
橘 龍乃が、父・龍太郎の所に顔を出す。
龍太郎の隣には、仲睦まじく並ぶ夕城 翡翠の墓。
…よくこんな一等地を、丹下家の墓に譲ってくれたものだと、龍乃は今も思う。
夕城家の厚意に感謝すると共に、龍太郎も『戦友』翡翠の隣にいられる事を喜んでいるだろう。
老衰で、眠るように逝った龍太郎。
2人の墓の間には、将棋盤が置いてある。
あちらでも、難しい顔をして将棋を指しているだろうか。
きっと癇癪を起こして、将棋盤を引っ繰り返しているだろうが。
「ほら2人とも、じいちゃんに挨拶だよ」
龍乃は、足元にしがみ付く2人の幼子に言って聞かせた。


