そんな真太郎の膝に。

「ぐっ!」

鬼龍の鋭い下段蹴りが入る!

ガクリと膝を折る真太郎。

体格では遥かに上回る真太郎を、鬼龍はいまだ一撃で崩れさせる。

「稽古をつけて欲しいと言ったのはお前アル。それをよそ見とは…」

鬼龍の拳が、握り締められた。

「何事かアル!」

形意拳の中段突き、半歩崩拳(パンプポンケン)を繰り出す鬼龍!

だが。

「!」

真太郎は、これを両手で絡め取るようにして止める。

以前打ち込んだ時は、受け止め損ねて塀に叩き付けられるほどに吹き飛ばされた者が。

「…申し訳ありません、母上」

「…フン」

鬼龍は拳を引いた。

「口だけの詫びなどいらないアル。早く打ち込みを再開しろアル」