「ハロウィン!知っています!幼い子供達を甘菓子で買収する大人のいやらしい陰謀の日!」

ほむらの毒舌が火を噴く。

何故彼女は、もう少しオブラートに包んで言えないか。

「菓子が欲しければくれてやるのです童ども!そうやって楽をして報酬を得る悪い癖を身に付け、大人になって困るといいのです!」

「ハロウィンに何か嫌な事でもあったがか、ほむら…」

若干引き気味の龍馬。

「そこの丹下の小倅!」

振り向いたほむらは、龍馬をズビシ!とか指差す。

ビクゥッ!となる龍馬。

「これでもくらいやがれ!」

「へぶっ!」

龍馬の顔に叩きつけられたのは、どうやら市販らしいクッキーを、紫陽花や花龍に教わって綺麗にラッピングしたもの。

堅焼きのクッキーなのか、顔に当たると結構痛い。

それでも。

「こ、これ、わしにくれるがか?」

キョトンとする龍馬。

「天神学園に来て、何かと龍馬君にはお世話になっているので…軽い復讐ですっ」

プルプル震えながら、頬を赤らめるほむら。

感謝の気持ちなのか、好意なのか、春が来たのか、殺戮の冬なのか。

ほむらの言動はイマイチわかりかねる。