「悪戯のぅ…」

紗雪が頬杖ついて考える。

「斑鳩やカムイ、豆助達も悪戯をしに来るじゃろうか…氷菓子でも準備しておくかのぅ…」

最近鴉丸のお城にも、遊里のような人間、そして天神学園に通い始めた妖怪達もいる為、西洋の文化も定着しつつある。

雪女や河童がハロウィンとは、時代も変わったものだ。

「り、龍鷺郎も悪戯するのか?シオン先輩が言うておるような悪戯を、妾に…?」

ドキドキしながら龍鷺郎に訊ねる紗雪。

「馬鹿馬鹿しい」

龍鷺郎は目深に学帽を被る。

「高校生にもなって、悪戯って歳じゃあねぇだろう」

「そ、そうじゃな。龍鷺郎はもう大人じゃものな」

実は、シオンのように迫ってきたらどうしようと、少し心配だった紗雪。

「大人な龍鷺郎にも、ご褒美に氷菓子をくれてやるのじゃ」

「…うんざりだぜ」

大人扱いなんだか、子供扱いなんだか。