現実なのに非現実感

彼は優しくて素敵だった
私なんて恋愛対象にするはずないじゃないか
別につきあいたいとか………
そんなんじゃないし………
どうしよう……どうしたらいいの?

淡い希望は打ち破られた
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一緒にいた人、すごく美人だったから……嫉妬なんてしない。いつか……いつか……と、叶わない夢だとわかっていても……

また、健人君がこの間の人と一緒にいるのを見かけた。なんだ私……バカみたい。危なく勘違いするところだった。勘違いしちゃいけない。健人君は誰にでも優しいんだから

健人君も私に気付いた。けど、一度も目が合わない。私も健人君の顔がちゃんと見れない。言いにくそう。そりゃそうだよね……彼女の前で……それなら私が……「今まで色々ありがとう。もう大丈夫だから……さよなら」「あっ……おい、待てよ」走り去る。これでいい。これで終わり……さよならって、私から言えた。健人君から言われなくて済んだ。それだけで、もう……

辛かった時、健人君からたくさんの温かさをもらった。でも、こんな誰にでも優しい………こんな優しさなんていらないよ。淡い希望はあっさり打ち破られた。