悪意を知らない彼女だから
なんでも信じてしまう

どうしてその瞳に気づかなかったんだろう?
ここにたどり着くまでの涙を知ったから……

彼女の言葉から私の心の中に
彼女の優しさが流れ込んでくる
何もかも溶かすようなあたたかさ

凍えていた時間が動きだす
私……諦めないから
もう一度友達になってくれるまで
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相変わらず、琴里と話せない日々

琴里に話しかけに行っても、美咲ちゃんに連れ出されてしまう。なんで?

ようやくわかった。琴里が「杏里に近づかないで」「杏里の邪魔をしないで」「杏里に嫌われてるの、まだ分かってないの?」とか色々言われてるのを初めて見た。何………これ?今までもこんなこと言われてたの?

「私がいつそんなこと言ったの?」
「それは、彼から聞いたよ」
何………それ………私の知らない所で……
「それ、信じたの?」
「彼が嘘つくわけないもの」

会いたくなかったけど、呼び出した男
「離れて……杏里が必要だってわかった」
「あんな子と浮気しなければ、本当はあなたのそばにずっといたかったの……」
「アイツとはもう別れたよ。もっと早く言えよ。そうすれば絶対に離さなかった。これからはずっとそばにいろよ。俺以外考えんな」

本当はこんなこと言いたくなかったけど、真実を知ってもらうためには……
「彼女はいないと言ってたのに、あれは嘘だったの?」
急に出てきた。男の焦った顔……
「特定の彼女はいない……よ」
「私は真剣だったのに、からかったの?」
「からかった?俺、お前に好きとか言ってねーし」
「私、あなたのために色々やってあげたよね?」
「お前が勝手にやっただけだろ?」
「それはそうだけど………」
「お前と本気で付き合うわけねーじゃん。」
「琴里の話は?」
「あー、あの杏里の友達の?杏里を独り占めするから……悪いんだ」

「これが、この男の本性なの。いいように利用されて………ちゃんとあんたのこと好きになってくれ人、見つけなよ。こんな最低なヤツやめて……」
「私、馬鹿みたい………ゴメンね。私馬鹿で何もわかってなくて………本当にゴメン」
彼女には辛い思いをさせちゃったけど、これでいい……これで……これで終わり

私は何も分かってなかった。琴里は一人で傷ついてたのかな?私一人が何も知らないで、何もできなかった。

「あなたは何も悪くないよ。好きな人の言葉は信じちゃうよね。」
辛い目にあった琴里の言葉に、ポロリ………涙がこぼれる。
「ゴメンね。」

「私のことなんだと思ってる?あんたの顔なんて見たくない。」「お前、もういらない」なんなの?彼女は物じゃない。悲しくて……

いい方に変わるのも時間の問題かな?