「待たせたな
それじゃあ行くか」

神無月先生に連れられ来たのは
とても大きな建物


神無月先生は普通に中に入ったので
4人も後を続いた


「1階は共有スペース
2階は個人の部屋だ
この部屋には薄くしか結界が
張っていないから魔法を使う場合は
ちゃんと補強してからだぞ‼

とりあえずこの話は以上だ
次にお前らS4にだけ話せることを話す

この頃魔力がなくなり
魔法を使えなくなる魔法使いが
増えているのを知っているか?」

「この前女王陛下と国王陛下が…」

「おい、ここでその名称は…」

神無月先生は結衣が女王陛下、国王陛下と
言ったことを心配していたらしい


「大丈夫です
真琴は王族護衛部隊隊長の娘
美海は女王陛下の親友であり
女王陛下に遣える巫女の娘ですから」

「つまり、秦山も桜井も知っていると?」

「「もちろん知っていますよ」」

「そういうことならもっと早く言えよ!
すまん小鳥遊続けてくれ」


「はい、
この頃急に魔力がなくなる人が
増えている件で今わかっていることは
地域や季節に限定していないこと
どこでもいつでも誰でも急に無くなる
今まで魔力を失った人には共通点もない
高熱を出して無くした人や
朝起きたら魔力がなかった
魔力を無くした人は最初は魔力の低い
人ばかりだったけど今では強い魔力を
持っている人まで一回で無くなる
そして魔力を失った人は魔法に関する
記憶をすべて忘れ普通の人間として
暮らしている
ということくらいです」


「今のところどれくらいの人が
魔力を失ったかはわからないか?」


結衣はそれに関しては知らないと答え
緋優もまた知らないと答えた

「私、それなら多分わかります!」

答えたのは見習い巫女の美海だった


「我が家に遣えし精霊神よ
我の問いに答えたまえ!」

『この声は美海どのですな
何なりと』

突然出てきた使い魔のようなものに
神無月先生は驚いていた

それもそのはずだった
この精霊神はかつて咲希に遣えていたから


その驚きには目もくれず美海は尋ねた

「今、この国で魔力を失った人は
どのくらいいるの?
失った人に共通点は?」


『現在魔力を失った人は169人
魔力が30万を越えている人が57人
近頃では魔力の高い人の方が
狙われているようです

この部屋にいる人の誰かが
ここ一週間以内に魔力を失います
皆様お気をつけください』


精霊神が戻ると騒ぎ始めた

「いったい誰の魔力が無くなるの?」

「俺ってことはないよな?」

「皆、落ち着いてください!
精霊神の言うことが外れたことは
私の知る限りありません

でもそれが絶対に外れないとも限らない
まずは様子を見ましょう!」


「そうね、騒いでもダメならば
待つしかないわね
魔力を奪われた人が魔法の記憶を
忘れないように毎日話しましょう

そして他の生徒にはそれが
ばれないようにしなくてはね
私たちで解決するわよ!」