私の叫びは、なかなかまぁまぁ人の集まった教室に、なかなかまぁまぁいい感じに響き渡り、ついでに彼はガタンっと、音を立てて、盛大に笑った。









「…相原 皐月です」




「井上 遼です」







静まり返った、教室。



高校生になったんだから、清楚ないい感じでいこう、そう決めていた儚い目標はあっけなく散りゆき。




『糞野郎』、だなんて死語を使ってしまった私は、冷ややかな眼差しと、爆笑の渦へと、入学早々、巻き込まれたのでしたっ、ちゃんちゃん。

































(…じゃ、ねーよぉぉぉ!)







がばっと頭を抱えて、私は嘆く。いまだかつて、こんなにもめくりゆく高校生活に絶望を感じた女子高校生なるものが、いたであろうか、否、きっといないであろう。少なくとも、少なくともこの教室で、私ほどこけてしまった女の子は、いないであろう。






弁解の余地もなく、担任がやって来て、入学式、説明会、滞りなく進んでいってしまった華の女子高生一日目。





いまは、自己紹介の時間。









しかし、自己紹介どころか、隠しゆくはずだった本性なるものを曝け出してしまった私に、紹介するものなど、もはや残されておらず。こうして、悶々と苦しめられている、そういうわけです。