「だから嫌なんだよなー、テスト期間。」


2週間の休みは射型が崩れるのに充分な時間で、テスト明けは皆苦労している。

だから、弓道人にとって休みは恐い。

1日程度なら大丈夫だけど。

それをものともしない人が1人。

いつもそんなに崩れなくて。
でも、練習していたようにも見えなくて。

いつもながらすごいと思う。

道場が見えてきて、逸る気持ちは増幅された。

もうすでに何人か集まって弁当やらパンやら食べている。


「「こんにちは。」」


射場の国旗に一礼して周りに挨拶をする。

そこかしらからまばらに挨拶が返ってきた。

励は2年男子部員の元へ行く。

私も女子のいるところで座った。