雨宿りはいつものカフェで


「ほい、もうすぐ来ると思って葵世の分。」


「わーい。冬音、大好き‼」


彼女の分として取っておいた皿を渡す。

いつもの大袈裟な返事をしながら彼女は隣へ据わった。

そのまま女子トークが再開する。


「あ、堺さんは火触らないで下さいよ?」


偶々近くにいた堺さんへさらっと話題を振る。

隣で彩花が呆れ顔、葵世が吹き出すがこの際気にしない。

この人は伊緒さん同様、火器厳禁の人だ。

違うベクトルで渡してはならない。

別の意味で危ないのだ。


「あ、岬も知ってんの?」