静かに千鶴さんを咎める。
「というか、山野もあんな事するのねー。」
倫菜さんが少し驚いたという風に肩を竦める。
そうなのだ。
彼がまさかハイタッチなんてするとは思ってなくて。
見た目よりは話しやすい人だけど、何処か誰に対しても一線引いている風なのに。
それよりも本当に彼は私が諦めていない事を承知しているのだろうかと思ってしまう。
考えれば考えるほど怪しくなっていく。
「前ならしなかったと思うよ、山野は同級生にもかなりドライな塩対応だったから。」
………イメージは容易に出来た。
まぁ、1年以上私より一緒にいる千鶴さんたちが言うなら本当だろう。


