雨宿りはいつものカフェで


そうしている合間にも聞こえていない彩花たちは川辺へ向かっている。


「いや、さっきしてたなぁと。」


「?」


まるで励の言い方のように主語がない。

首を傾げるのはよく皆から言われる私の癖だ。

無意識にやってしまうので先輩たちには撫でくり回されるのだが。

そんな風に考えている間に彼は手を掲げ言った。


「ほら。」


「はい?」


「だから、バトンタッチ。」


「えっ。」