そこに後ろから声がかかる。 呼ばれた倫菜さんは振り向く。 「山野?何?」 そう、その声は彼だった。 慌てて振り返る。 「わっ。」 すると思ったより間近にいたことで声を上げてしまった。 びっくりした、正直言って真後ろだった。 「岬?」 「や、すみません。びっくりしただけです。」 怪訝そうに覗き込んできた彼に曖昧に笑って誤魔化す。