雨宿りはいつものカフェで


そこに後ろから声がかかる。

呼ばれた倫菜さんは振り向く。


「山野?何?」


そう、その声は彼だった。

慌てて振り返る。


「わっ。」


すると思ったより間近にいたことで声を上げてしまった。

びっくりした、正直言って真後ろだった。


「岬?」


「や、すみません。びっくりしただけです。」


怪訝そうに覗き込んできた彼に曖昧に笑って誤魔化す。