「あの手前の人、来るときに前に居て自転車のステッカーが確かに篠木だったの！」
「そうなんだー。」
篠木と聞いてつい、彼がいないか探してしまう。
………いないようだ。
そうそう上手い話はないか。
「……珍しいね。冬音。」
「え？」
彩花の言葉の意味が分からず思わず顔を見返す。
「だって冬音、中学の時から人に興味なかったし、今のだってふーん、で終わってたよ？
まぁ、今は山野さんにまっしぐらだけど。」
…………そこまで言われるほどだっただろうか。
まぁ、人に興味をあまり持っていなかったけど。
あの事があってから？
いや、元々の性格だ。
