「冬音、冬音。ちょっと。」


「何?」


駆け寄って来た彩花に肩を掴まれる。

内緒話をするような形で私は問い返した。


「ほら、あそこ。」


そう指差した先を見る。


「あ…………。」


そこには先輩がいた。

他の男子先輩たちと川の浅瀬で遊んでいた。

あんなにはしゃいでいるところは初めてで。

自然と口が綻んでしまう。