「………で、何でいるんですか。」
じとっとした目で私は目の前の人物を見やる。
「何で、と言われても雨の日は毎日来てるけど。」
その言葉にがっくりと肩を落とす。
いないものだと思って入ったカフェの店内には、今までと寸分の違いもないいつもの彼がいた。
懐かしさを、そして少しの怯えを覚えながら向かいの席へ据わる。
こちらを見た彼は驚いたような何かに納得したようなそんな顔をしていた。
「何も言ってなかったじゃないですか。」
そう、何も。
来るか来ないかすらも。
それほどにどうでも良いということだろうか。