深い思慮に陥りかけた私に明るげな声で励は聞いてきた。
それには思い出したかのような口調も含まれていた。
仕方なく、そして丁度良く考えを打ち切った。
「何を?」
先程の彼の言葉の意味をそのまま問い返した。
主語無く話し出すのは彼の悪い癖でよく皆にも問い返しを受けている。
「夏休み頭ぐらいに2日部活休みがあるんだけど。」
「それは知ってる。」
運の悪いことに校舎の点検で射場が使えない日と先生の不在日が続いたのだ。
弓道部では滅多に無い2日休みである。
「初日の方に2、3年で川バーベキューしよーってなった。」


