「あ、ごめんっ。大丈夫?濡れてない?」


「こっちこそ飛び出してごめんなさい。」


傘を持ち上げ相手を見やる。
   シノギ
え、篠木高の制服………。

篠木高校とはこの辺で有名なお坊ちゃん高校で頭も良い。

目をぱちくりさせる。

その隙に隠していた涙が零れ落ちた。


「えっ‼!?」


彼はおろおろとし始める。


「あ、あぁごめんなさい。これは雨ですよ。」


「………雨?」


「はい。」


訝しげに聞く彼に私はにっこりと笑って言う。