雨宿りはいつものカフェで


いつものようにコーヒーを頼む。

そう、いつも。

いつものように………。

今日はふわふわしたカプチーノじゃなくて普通のコーヒーを。

ロールケーキは初めて頼んだけどどうやら当たりで美味しかった。

けど先輩はいない。

物足りなさの中に言いようのない焦燥感があって胸を焦がした。

ロールケーキの甘さはほろりと口に広がる。

勝手に期待して悩んで焦がれて。

あぁ、やっぱり彼が好きなんだなと。

改めて思うだけで。


「もう帰ろう………」


こんなの余計に虚しくなるだけだ。

先月のことを思い出すと流石に落ち込んで。