部活が終わり、皆が帰り出す。 またちらほらと雨がちらつき、次第に傘なしではいられなくなる。 いつものように黄緑色の傘を差して歩く。 歩く。 ふといつもの癖でカフェの前で止まった。 今日はゆっくり片付けをして出た分遅くて8時過ぎ。 先輩は私より先に出たどうかは知らないけれど。 流石に先輩も来ないだろう。 そう思うのに心の何処かで期待して。 カランコロン── 私はカフェの扉を開けた。 「いらっしゃい。」 「コーヒー、ミルク砂糖ありで。あ、ロールケーキも。」