『どうして
あんな夢、見たんだろう…』
両親が離婚した日の夢。
見たのは初めてではないが
久しく見ていなかった。
自分の中では“終わった話”と認識していた。
…筈、だったのに。
『未練たらしいな…。
もう二人共居ないのに』
父はあの後、間もなくして
交通事故で亡くなった。
飲酒運転をしたらしい。
その後を追うように母も病に倒れた。
私が15の時だ。
気付いた時には末期の大腸癌だった。
その頃、
まだ中学生だった私にとって
その現実は重くのしかかり、
私を闇の底まで突き落とした。
22歳になった今となっては
もう記憶も朧気だけど…。
『よし。洗濯終わり。
着替えなくちゃ』
壁掛け時計は午前10時を指していた。
バイトは13時から。
朝食と昼食兼用の食事を済ませる。
『今日はお店空いてるかなー』
バイト先の本屋。
給料日前の平日は毎月
比較的お客の足取りも減る。
歯を磨こうか、と
歯ブラシに手を掛けた時
ピンポーン ..
玄関のチャイムが鳴った。
