ゆっくり顔を離して、湯川の表情を確認すると―― 真っ赤になって目を見開いて、まだ固まったままだった。 勢いでしたけど…… あとから俺も強烈な恥ずかしさに苛(さいな)まれ、それをごまかすようにショコラを抱いた。 「……行こっか。家まで送ってくよ」 「う……うん。ありがと……」 顔が見れないまま湯川の手を取り、一緒に立ち上がらせた。 その繋いだ手からお互いの熱が伝わり合って、 ますます空気を甘くする。