「あっ! 京兄、ただいまぁ!」 「っ!」 その声はっ……。 後ろを振り返ると、 「まっ……麻衣っ」 セーラー服を着た麻衣が、規則正しい三つ編みのお下げを揺らしながら、ニコニコして寄ってきた。 そうだった。今日は、麻衣が部活ない日だった。 うわ。家族が誰もいない時間を狙ったのに。俺、浮かれすぎていろいろ忘れすぎだぞ。