俺は、天真爛漫なあのコに流されている



「マジで、俺でいいの?」

「いい! だってっ……」

「え?」

「私も……猪瀬のことが、前から気になってたんだ。

 だから、そのっ……

 すっ……すっ……好きなのっ!」

「ゆ……湯川……」


 奇跡が起きてしまった。

 本当に湯川も、同じ気持ちだったなんて……。


「って、ちょっ、もういやだ、言わせないでよぉっ!
 あーどうしよーっ! 嬉しすぎて萌え萌えキュンキュンしちゃうよーっ!」


 も……萌え萌えキュンキュンって、なんだ?

 ていうか、湯川が可愛すぎる。

 そんなにハシャいで、照れまくったりしたりして。


 前から気になってたって……いつからだ? なんて訊こうにも、俺は舞い上がりすぎて頭の中真っ白。どうしたらいいかわからなくなってしまい、ただ可愛くハシャぎまくる湯川のことをポーっとして見惚れてることしか出来なかった。


 ――その後、これまでの会話が剣道場に筒抜けだったことが発覚。部員全員からヒューヒュー言われるハメに……。