「もーう、果奈ったら。そんなに泣くぅ?」 山村が、湯川の涙をハンカチで拭いながら言った。 「だってさぁ、やっと、やっと、あの猫ちゃん拾ってもらえたんだよ? しかもさ、新しい飼い主さん、こんな丁寧な手紙まで残してくれて……これが泣かずにいられないでしょう!」 と、花柄の封筒を突きつけながら、また泣いた。 あれ、昨日麻衣に書いてもらったんだけどな。