段ボールに子猫を戻すと、湯川はやっと立ちあがった。 「早く、優しくていい人に拾ってもらえるといいのに……。 じゃあね、ショコラ。明日もまた来るからね」 湯川は子猫に向かって手を振ると、俺のいる反対の方向へと歩いていった。 俺は――湯川から目が離せなかった。