俺は、天真爛漫なあのコに流されている



「ねぇねぇ。『ショコラ』はどうかな? 可愛くなーい?」


 ショコラって、ずいぶんとしゃれてるな。俺では絶対思いつかない名前だ。


 子猫はそんなしゃれた名前に反応してか、「ミャアァーン」と長めの泣き声をあげた。


「あははっ! 気に入った?
 ショコラ……うん! いいいい! 絶対可愛いよ! 毛の色にも合ってるし!」


 湯川の中で、猫の名前が決まったみたいだ。

 あれじゃあもう、すっかり猫の飼い主だろ。


 俺はまた吹き出した。