狼の子(仮)



自分が五十歳になった年に生まれた子供を占い、力の強い女児を十人選ぶ。

その子供たちが八歳になると、その中で一段と力の強い者を次の巫女に選ぶ。



現役の巫女も先代もその先代も…ずっと五十年のサイクルで生まれてきている。







現・巫女五十歳の今年は少しおかしい。


七歳までの子供は神の子とされている。力の差もほとんどない。



しかし、今年は違った。


生まれた子供、まだ赤ん坊の子どもたちの中で、2人だけ、他とは桁違いの力を持ったものが生まれてしまった。



銀髪の双子だった。



当然巫女はその二人を次の巫女候補にした。だが、巫女はその他を選ばなかった。