そこにはいつも君がいた



月曜日、学校に着くとあかねが私の席の前の席に座って、本を読んでいた。普通は自分の席で勉強しているか本を読んでいるから、私の席の近くで座っているということは、私のことを待っているということだと思う。

私は自分の席について、「おはよ、あかね!何、どうしたの?」

彼女は読んでいた本から顔をあげて、「愛子・・・。」と小さな声で言った。

「何?」

「あんた・・・彼氏できたの?」

「・・・え?」

表情一つ変えないでいうものだから、言葉が頭に入ってくるのに時間がかかった。

「え?」私はもう一回言った。「ちょっと待って。何情報、それ?」

「愛子ママ情報。」あかねは言った。

やっぱり。「ごめん、それ誤解だから。」

「それじゃあ一昨日、愛子の家に男子が泊まってったのは本当なの?」

お母さん、そこまで言っていたのか。嘘をついても無駄なのは分かっていたから、私は仕方なく、「うん。」と言った。

あかねは目を大きくした。「それって、この前言ってた愛子の好きな人?」

私は頷いた。頬が少し熱い。

「泊まってったのに、付き合ってないの?」

「うん・・・いろいろあって。」

「そう・・・。」彼女は悲しそうに私を見た。あかねは何を想像して私を哀れんでいるのか分からないけれど、私は白斗と両想いで、彼は私のことを大切に思ってくれていること、いつかは私と付き合ってくれることを分かってるから、全く悲しくなんて無い。でもそれを言ったら、白斗のことも言わなければなくなるから、あかねに訂正ができない。また一つ、誤解が生まれてしまったようだ。


「それより、あかねはどうなの?ほら、花火大会に誘ってくれた先輩!」

「あ・・・。」あかねは目を逸らした。一瞬見間違えたかと思ったけど、確かに彼女の頬はピンクに火照っていた。「う、うん・・・連絡先交換して、メールやってるぐらいだけど・・・・。」

私はあかねを見た。「あかねが赤くなってる・・・しかもメールまでしてるなんて・・・。」私はにやけが止まらなくなった。

あかねは私を睨んだ。「やめてよ、気持ち悪い。」

私はあかねの毒舌な言葉を無視した。「そんなにいい人なんだね、この先輩。」私は笑顔で言った。

彼女の表情が緩み、少し微笑んだ。「うん、まあね。」